データの管理
顧客情報が People に安全に保存され、更新されると、顧客のニーズ、関心事や活動に基づいて様々なコミュニケーションのフローを設計できる機能の使用を開始できます。
属性
各パーソンプロファイルには、特定のオーディエンスをターゲットにする場合に役立つ情報が含まれています。これらの「属性」は、3つのグループ (標準、カスタム、システム生成) に分かれています。
標準
標準フィールドは事前定義されており、NTT CPaaS APIおよびWebインターフェースのユーザーがアクセスできます。これらのフィールドに含まれる基本的なプロファイル情報は、プロファイルがパーソンまたは企業 のどちらに属しているかによって異なります。
カスタム
アカウントごとに設定され、カスタム名が付けられたこのグループの属性は、顧客に関連するより具体的な情報を提供します。
カスタムフィールドを使用すると、標準フィールドから入手できない情報を割り当てることができます。これには例えば、契約終了日、サブスクリプション、支払期日、または目的のコミュニケーションシナリオを作成できるようにするために必要なその他のデータが含まれます。
カスタム属性名は一意である必要があります。
新しいカスタム属性を作成するには、Webインターフェイスの People モジュールに移動し、Configuration (構成) > Custom Attributes (カスタム属性) > Create Custom Attribute (カスタム属性の作成) に移動します。 いずれかのデータ型 (テキスト、10 進数、整数、true/false、日付、日時) を選択します。一度選択したデータ型は変更できません。

属性の作成が完了すると、その属性はプロファイルのページに表示され、コミュニケーションキャンペーンに使用できるようになります。
Peopleにデータをインポートする時に、新しいカスタムフィールドを「その場で」追加することができます。マッピング画面の一覧で、Add New Field (新しいフィールドの追加) を選択します。
カスタム属性はまた、People APIを通じて作成したり、管理したりすることもできます。次のいずれかの操作方法が利用可能です:
- カスタム属性の作成 (opens in a new tab)
- カスタム属性を1つ取得 (opens in a new tab)
- カスタム属性のリストを取得 (opens in a new tab)
- カスタム属性の更新方法: • パーソンの更新 (opens in a new tab) - 新しいフィールドを更新し、他のフィールドを特定していない場合、それらは消去されます。 • 部分更新 (opens in a new tab) - パーソンプロファイル内の特定の1つのフィールドのみを更新します。
- カスタム属性の削除 (opens in a new tab)
チャネル属性
チャネル属性は、一連の顧客と特定の時間に行われた以前のインタラクションに基づいて、そのグループに接触したい時など、様々な状況で役立ちます。
Last Contacted (最後の接触)
このシステム生成属性は、いずれかの チャネル 内で顧客に最後に接触した時刻を示します。この情報は、Peopleのホームページでも確認できます。
顧客が最後に受信したコミュニケーションに基づいてオーディエンスのセグメントを作成するには、People > Segment (セグメント) に移動し、Last Contacted (最後の接触) 属性を選択します。また、この属性と組み合わせて使用したい付随の演算子についても、ご希望のコミュニケーションシナリオに応じてご検討ください。

この属性は、セグメントオーディエンス by adding the Segment Audience エレメントをコミュニケーションに追加することで、フロー で直接指定できるようになります。エレメントのサイドパネルで、*Last Contacted (最後の接触)*属性、演算子 (この場合はbefore 演算子)、および日付と時刻を選択します。

演算子の計算方法
Last Contacted (最後の接触) 演算子は、1日を24時間として計算します。もしその値を「0日前」にしたとすると、メッセージを受信してから24時間以内のユーザーに接触することになります。1日はその時点から24時間としてカウントされますので、24時間から48時間前までは「1日前」となります。
利用可能な演算子:
More than (より多い) – 例えば、過去1 週間に接触していない顧客にのみメッセージを送信したいとします。その場合、[more than 7 days ago (過去7日より前)] フィルターを選択します。
Less than (より少ない) – 例えば、過去 1 週間にメッセージを受信したが応答しなかった顧客にリマインダーを送信したいとします。その場合、[less than 7 days ago (過去7日未満)] フィルターを選択します。
Exactly (正確に一致) – この演算子は、日付を特定する必要がある状況で使用します。例えば、ちょうど 2 日前に最後のメッセージを受信した人に接触したい場合などです。
Before (前) – この演算子は、例えば、最後に接触したのが、特定した日時より前であった対象者にのみメッセージを送信したい時などに使用します。
After (後) – この演算子は、最後に接触したのが特定の日付より後の対象者全員にメッセージを送信したい時などに使用します。例えば、新製品のリリース日を選択して、この演算子を含めておくと、この新製品の基本情報をすでに伝えているオーディエンスの対象セグメントに、その製品の詳細情報を記載したメッセージを確実に届くようにすることができます。
On (その日) – この演算子は、正確な日付を指定して、その特定日を最後に接触していない対象者 (例えば、その日に新しいロイヤルティプログラムの内容がアップグレードされたことを告知するメッセージを送信した顧客) にのみコミュニケーションを取りたい時などに使用します。
Unknown (不明) – この演算子は、例えば、最後に接触した対象者のデータを判定できない状況などに使用します。
チャネル別の最後の接触
[最後の接触]情報は、チャネル別にも利用できます。例えば、特定のチャネルを通じて送信した直近のコミュニケーションとそれに関連するデータに基づいて、次のメッセージを送信するタイミングを決定したり、別のチャネルを選択したりできます。利用可能なチャネルは、メール、Messenger、LINE、SMS、プッシュ通知またはTelegramです。

Peopleのホームページで提供されているフィルターを使えば、特定の期間内に特定のチャネルを通じてコミュニケーションを取ったのが最後の接触となった人々を検索することができます。

計算属性
計算属性を使用すると、データをさらに拡張できます。計算属性は、通常のプロファイル属性のように見え、同様に機能し、Momentsフローキャンペーンやコミュニケーションのパーソナライズ化を行う際、オーディエンスのターゲティングやセグメント化 で活用できる、より豊富なオプションを提供します。
計算属性には、3つの種類があります。Peopleプロファイルの様々なデータの計算を行いたい時はカスタム数式、イベントデータの計算を行いたい時はイベント集計、そしてプロファイルを適合性や行動基準に基づいて評価したい時はプロファイルスコアリング を活用できます。
計算属性は、Peopleインスタンスのプロファイルデータが変更されると自動的に更新されます。これにより、データが常に最新かつ正確であると信頼できます。
計算属性は、People の [Configuration (構成)] タブから管理できます。[計算属性] タブを選択して、計算属性ダッシュボードにアクセスし、変更を加えることができます。

計算属性のライフサイクル
計算属性は、ほとんどのシナリオで通常のプロファイル属性と同様に見え、機能しますが、ライフサイクルの管理に特定の手順に沿って行う必要がある複雑なデータ型です。 ドラフトの段階では、計算属性を必要な回数だけ構築、調整、テストして、データ出力が要件に合っていることを確認できます。
ドラフトに問題がなければ、計算属性をアクティブにして処理フェーズを開始します。計算属性による計算が、People のすべてのプロファイルに適用されます。インスタンスに多数のプロファイルがある場合は、この処理に時間がかかることがあります。処理が完了すると、計算属性がアクティブになります。
アクティブになると、計算属性は、People インスタンスのプロファイルデータが変更されると自動的に更新されます。
計算属性が計算を行うたびに、計算が更新された時点のタイムスタンプが新たにパーソンプロファイルに適用されます。プロファイルが最後に更新された日時 (変更日時) に基づいてフローをトリガーする場合は、この点にご注意ください。
アクティブな計算属性は編集できません。編集を行う場合は、計算属性の複製を作成し、それを使って新しく作成したドラフトを編集します。
ドラフト段階の属性は問題なく削除できます。但し、データの安定性を保つために、他の計算属性またはアクティブなフローで使用されている計算属性は削除できません。
計算属性領域を見ると、どの計算属性がどこで使用されているを確認できます。非アクティブな計算属性は削除できますが、削除プロセスは永続的で元に戻すことができませんので、削除する前に必ず確認するようにしてください。
カスタム数式
カスタム数式は、プロファイル属性をさらに強力にするために使用できる計算属性の一種です。標準プロファイル属性とカスタムプロファイル属性に基づいて値を自動的に計算することで、オーディエンスとのエンゲージメントを強化し、よりパーソナライズされたサービスを提供するための追加の手段を提供できます。
カスタム数式は、式言語を使って計算を行います。基本形式の式言語は、式の値を出力する数式内の1つ以上の定数、属性、関数、および演算子で構成されます。この値は、パーソンプロファイルにカスタム属性として格納できます。
例えば、メール送信数とメールクリック数を収集している場合、カスタム数式を使ってメールキャンペーンのコンバージョン率を計算できます。数式は次のようになります:
round(100*(email_link_clicks/emails_sent),0)
カスタム数式を構成するいずれかの属性の値が空 (即ち、未定義) の場合、式はプロファイルに空の値を返します。
カスタム数式を作成するには、[People > Configuration] に移動し、[Computed Attributes (計算属性)]タブでCreate New (新規作成) > Custom Formula (計算属性) をクリックします。
数式は、数式ビルダーに属性名、関数、演算子を入力すると作成できます。数式ビルダーは、入力時に使用可能な関数と属性の自動提案を行います。また、Add Function (関数の追加) やAdd Attribute (属性の追加) ピッカーを使用することもできます。使用可能な関数と属性のドロップダウンリストが開きますんで、ご希望の関数や属性を選択して数式を作成できます。標準、カスタム、およびアクティブな計算属性 (プロファイルスコアリングとイベント集計) から選択します。
もし操作を間違えると、エラーメッセージが表示されますので、修正が可能です。
さらに、式言語リファレンス セクションには、利用可能なすべての関数と演算子の詳細な説明と例が記載されていますので、そちらもご参照ください。

数式は、作成プロセスのどの時点でもテストできます。式をテストするプロファイルを選択してカスタム数式を作成し、テストしてみると、すぐにその場で結果が得られます。
カスタム数式を作成した段階で、Create and Exit (作成して終了) をクリックすると、そのカスタム数式をドラフトとして保存できます。下書き状態のカスタム数式はアクティブではなく、パーソンプロファイルには表示されません。この状態のカスタム数式は、必要なだけ何度でも編集できます。ドラフトの編集内容を保存したい場合は、Save and Exit (保存して終了) をクリックします。
作成した数式に問題がなければ、[Activate Custom Formula (カスタム数式をアクティブ化)] のトグルを切り替えてアクティブ化プロセスを開始し、カスタム属性をPeopleのすべてのプロファイルに追加できます。処理中に、数式はオーディエンス全体に対して計算を行います。進捗バー (%) は、ダッシュボードで処理の進捗状況を追跡するのに役立ちます。処理が完了すると、カスタム数式はすべてのプロファイルで属性として表示されます。
カスタム数式が完全にアクティブになるのを待ってから使用することをお勧めします。処理中に計算属性を使用しようとすると、カスタム数式を使用するセグメントとフィルターに、対象となるプロファイルが一部欠落してしまう可能性があります。
アクティブなカスタム数式や処理中のカスタム数式は編集できません。もし編集する必要がある場合は、編集したい数式の複製を作成し、その複製版に変更を加えるようにします。編集後の数式が期待どおりに機能するかをテストして問題ないことが確認できたら、その数式が再度処理されます。その数式がアクティブになると、古いカスタム数式を破棄できるようになります。
削除した計算属性は復元できず、完全に削除されるため、計算属性を削除する前に必ず確認するようにしてください。
プロファイルスコアリング
プロファイルスコアリングは、リードや顧客データからより実用的なインサイトを得るのに役立ちます。プロファイルスコアは、プロファイルに割り当てられる数値で、複数の基準に基づいてプロファイルを比較し、順序付けするために使用されます。プロファイルのスコアリングには多くの活用例があり、最も一般的な例としては[リードスコアリング](/tutorials/lead-scoring-in-people)、クレジットスコアリング、行動スコアリングなどが挙げられます。
スコアリングの仕組み
ルールベースのスコアリングを実装しているため、ドメインの知識を、対象オーディエンスに適用する基準に基づくシンプルなルールセットに変換できます。各ルールには、スコアリングポイントが割り当てられています。各プロファイルに個別に適用するすべてのルールに基づいて採点した合計スコアのことを、ここではプロファイルスコアと呼んでいます。出力結果は常に整数値です。
スコアを付けられるもの:
- ルールは、標準属性、カスタム属性 やアクティブな 計算属性 別に作成でき、各プロファイルが「理想的な顧客」にどこまで近いか否かを見極めるための判定基準にすることができます。
- 行動の部分については、顧客とのインタラクションに関するルールを作成することでカバーできます。これには、標準イベント(チャネル、製品イベント、またはプロファイルの変更など) やカスタムイベント に適用するルールが含まれます。
どのルールにも、柔軟性をさらに高めるために、正のスコアポイントと負のスコアポイントを割り当てることができます。
ではここで、単一の基準であるRegion (地域) を使った簡単な例を紹介します。地域1のオーディエンスは他の地域のオーディエンスよりも支出額が多いと仮定します。この情報だけで、単一のルールで構成する単純なモデルを作成できます:
If Region is Region1, assign 50 score points (もし[地域]が[地域1]の場合、50スコアポイントを割り当てる)
ルールの作成をこれだけに止めると、地域1のすべてのプロファイルに50スコアポイントが割り当てられ、その他の地域のプロファイルのスコアは0となります。
但し、この例では、引き続きルールを展開しましょう。Region2 という別のリージョンがあるとします。Region2 は多額の費用を費やしていますが、Region1 よりも支出は少なくなっています。この情報を使用して、この情報に基づいて 2 番目のルールを作成できます。
If Region is Region1, assign 50 score points (もし[地域]が[地域1]の場合、50スコアポイントを割り当てる)
If Region is Region2, assign 25 score points (もし[地域]が[地域2]の場合、25スコアポイントを割り当てる)
この2つ目のルールを追加すると、オーディエンスが地域別のスコアリング基準に基づいて3つのセグメントに分かれることになります。スコア別に見ると、地域1のプロファイルは50、地域2のプロファイルは25、その他の地域のプロファイルは0となります。このロジックは他の基準にも当てはまります。
行動スコアリングは、プロファイルのエンゲージメントに関するルールを作成するオプションを提供します。プロファイルのエンゲージメントが高まるほど、そのプロファイルがファネルを進み続ける可能性が高まります。
リソースを影響度/価値で分類することも、モデルの品質向上に役立ちます。例えば、ウェブサイトのホームページを訪れたユーザーは、価格ページを訪れたユーザーほど価値が高くありません。 イベントのカウントやタイムフレーム、イベントの特定のプロパティに対して追加の条件を適用することも可能です。
ではここでまた簡単な例を使って、今度はPeopleイベント のPageView (ページビュー) イベントに適用するいくつかのルールの作成方法について説明します。
ページビューが過去 90 日以内に発生し、URL が https:www.example.com、5つのスコアポイントを割り当てます
ページビューが過去 90 日以内に発生し、URL が https:www.example.com/pricing、10スコアポイントを割り当てます
準備ができたら、モデルをアクティブ化して、Peopleデータベース内のすべてのプロファイルに適用されていることを確認します。スコアは、モデル内の属性が変更されたり、新しいイベントが発生したりすると自動的に更新されます。
また、「within the last X days (過去X日以内)」のように時間枠がスライドするイベントルールを使用する場合は、毎日再計算が行われます。これにより、指定されたタイムフレーム内にイベントが発生しない場合、スコアが減少するように適切に処理されます。
構成手順
モデルを作成する前に、スコアリングモデルで使用したいすべてのイベント が構成されている、および/または有効になっていることを必ず確認するようにします。
-
モデルを作成したら、People > Configuration (構成) に移動し、Computed Attributes (計算属性) を選択し、Create New (新規作成) をクリックして、Profile Scoring (プロファイルスコアリング) を選択します。新しく作成したモデルはこの段階ではまだドラフト状態であるため、プロファイルには適用されておらず、対応する属性も作成されていません。
-
[Add Rule (ルールの追加)]をクリックして、採用する各基準に適用するルールを作成します。標準、カスタム、およびアクティブな計算属性 (カスタム数式とイベント集計) とイベントに適用するルールを追加できます。 イベントルールでは、以下のオペランドがサポートされています。
- 発生 - 「happened (発生した)」
- 頻度 - 「equal to X times (X回と同じ)」、「less than X times (X回より少ない)」、「less or equal X times (X回以下)」、「more or equal X times (X回以上)」、「more than X times (X回より多い)」、
- 最近性 - 「any time (いつでも)」、「within the last X minutes/hours/days (過去X分/時間/日以内)」、「before the last X minutes/hours/days (過去X分/時間/日より前)」、「between the last X and Y minutes/hours/days (過去X分/時間/日からY分/時間/日までの間)」
- イベントプロパティ (ペイロードなど)は 、セグメントエディターのイベントプロパティと同じオペランドを使用します。
-
あるユーザーに対してモデルをテストしてみます。選択したプロファイルにモデルがすぐに適用されます。モデルをユーザーに適用した後にパーソンプロファイルに変更が発生した場合は、更新アイコンをクリックしてプロファイルデータを更新するか、プロファイルを再度選択してモデルを再適用する必要があります。
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モデルの準備ができたら、トグルをアクティブに切り替えます。アクティブになると、モデルは処理状態に移行し、既存のすべてのプロファイルに対して計算を行います。計算中に、モデルに対応する計算属性がスコアリングモデルと同じ名前で作成されます。新しいプロファイルは作成後すぐに自動的にスコアリングされ、そのスコアが各プロファイルのプロファイルカードの計算属性内に表示されます。
備考モデルは、最初に無効にしない限り、アクティブした後で変更したり、削除したりすることができません。モデルを表示専用モードにすると見直しが可能ですので、アクティブ状態または処理状態の時でも必要に応じてプロファイルに対してテストすることができます。
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結果を確認し、問題がなければ、People セグメントやカスタム数式で使用を開始できます。また、Moments やAnswers に統合することもできます。
モデルを変更または削除するには、まずモデルを無効の状態にする必要があります。モデルを無効にすると、すでにスコアが含まれているプロファイルには、新しいイベントや変更に対してスコアが更新されないことがわかります。 モデルが無効になった後に作成されたプロファイルには、スコアを含む対応する計算属性がありません。
モデルが削除されると、対応する計算属性がすべてのプロファイルから消去されます。削除は永続的ですので、データの安定性を確つために、プロファイルスコアリングがフローで使用されている場合、あるいは別のカスタム数式またはイベント集計の一部として使用されている場合は、プロファイルスコアリングモデルを削除することができません。詳細については、計算属性 のセクションをご参照ください。
プロファイルスコアリングのベストプラクティス
以下は、プロファイルスコアリングに適用するルールを定義する際に考慮すべきベストプラクティスの推奨事項です。
また、プロファイルスコアリングの実例を紹介しているPeople でのリードスコアリング チュートリアルも併せてご参照ください。
- プロファイルの適合性と行動スコアでスコアを分割するか、プロファイルと行動データの両方を含む単一のスコアにするかについては、さまざまな意見があります。これは特定のユースケースに完全に依存しますが、両方を行う可能性を提供し、最適なものを選択できるようにします。
- ルールは、各基準に応じて1つずつ順番に追加していくことをお勧めします。
- プロファイルの適合性基準については、4〜6種類のルールを設けることが一般的に推奨されていますが、ルールの数はどれぐらい細かく達成目標を設け、維持したいかよって異なります。
- 行動基準は、使用するエンゲージメントによっても異なりますが、通常、キャンペーン内のリンクのクリック、フォームの送信、ウェブ上のアクティビティ(ページビュー、ゲート付きコンテンツのダウンロード、カート上のインタラクションなど) が含まれます。
- モデルを置き換える場合は、古いモデルを無効にし、すぐに削除しないことをお勧めします。古いモデルを残しておけば、新旧モデルで得られる結果を比較して分析することが可能になるからです。
イベント集計
イベント集計は、プロファイル イベント データを使って計算を行う 計算属性 の一種です。これは、次のような集計情報の計算に役立ちます。
- 顧客生涯価値 (LTV) を確立するために顧客が行う注文の合計額はどれくらいか?
- 顧客はトータルで何回購入したか?
- 過去30日間に顧客が特定のページに何回アクセスしたか?
- 購入にロイヤルティポイントを使用した場合の顧客の平均購入額はどれくらいか?
- 過去14 日間にこちらから送信したメールのうち、顧客が受信したメールの数は?

イベント集計を作成するには、Peopleの[Configuration (構成)]タブに移動した後、Computed attributes (計算属性) を選択し、Create New (新規作成) > Event Aggregate (イベント集計) をそれぞれクリックします。
イベント集計の定義
イベント集計は、次のコンポーネント部分で構成されています:
- 計算に使用される集計関数
- イベント AND イベントプロパティ。例えば、[Checkout Completed (チェックアウト完了)] イベントの [Order Value (注文金額)]プロパティの平均値を計算したいとします。この場合、Count関数は、イベントのインスタンス数に基づいて計算されるため、プロパティを受け取りません。
- イベントプロパティ用フィルター (任意)。例えば、[Payment Method (支払い方法)] を [Card (カード)] に絞り込み、クレジットカードで支払われた購入の合計額のみを計算したい場合に使用します。
- 最初または最後に一致したイベントを集計から除外するオプションのセレクター。例えば、リピート購入の回数をカウントする集計から最初に除外することを選択したい時に使用します。
- 選択した期間のイベントをフィルタリングする期間

集計関数を選択し、計算するイベントとイベントのプロパティを選択してイベント集計を作成し、イベントが発生した期間を定義します。イベント集計は、選択した期間内のすべてのイベントに対して計算を行います。
属性に名前を付け、特定のパーソンプロファイルでテストしてみて、試算結果に問題ないかを確認します。
集計関数
次の集計関数から選択します:
パラメーター | 説明 |
---|---|
Count | イベントの発生回数を追跡したい時などに使用します。 |
Sum | イベントプロパティの値の合計を取得したい時などに使用します。 例えば、複数のItem Purchased (品目購入)イベントの合計価格など。 |
Min | イベントプロパティの最小値を格納したい時などに使用します。 例えば、Item Purchased (品目購入)イベントの最低 Price (価格)など。Minはまた、標準イベントプロパティのEvent Time (イベント時刻) またはカスタムイベントプロパティのdatetime (日時) の最も早い時刻値を格納したい時に使用することもできます。 |
Max | イベントプロパティの最大値を格納したい時などに使用します。例えば、App Rated (アプリ評価) イベントの最大Rating (評価)値など。Maxはまた、標準イベントプロパティのEvent Time (イベント時刻) またはカスタムイベントプロパティのdatetime (日時) の最新の時刻値を格納したい時に使用することもできます。 |
Average | イベントプロパティの平均値を格納したい時などに使用します。 |
Count Distinct*EARLY ACCESS | 選択したイベントプロパティ内の一意の値を持つイベントの数をカウントしたい時などに使用します。例えば、 Item Purchased (品目購入) イベントの中で一意の品目が購入された数など。 |
First | 最初に発生したイベントプロパティの値を検索したい時などに使用します。例えば、最初のItem Purchased (品目購入) イベントで購入された品目など。 |
Last | Last を使用して、最後に発生したイベントプロパティの値を検索したい時などに使用します。例えば、最後に発生したItem Viewed (品目閲覧) イベントで閲覧された品目など。 |
Exists | イベントが発生したかどうかを追跡するためのフラグを立てたい時などに使用します。これを使って追跡した結果、選択したイベントがプロファイルに含まれている場合は true を返します。 |
Most Common*EARLY ACCESS | 最も一般的な (頻繁に起きる) イベントプロパティの値を追跡したい時などに使用します。 |
* この機能はEarly Access (早期アクセス) 段階にあります。この機能が必要な場合は、サポートにお問い合わせください。 |
時間範囲の設定
時間範囲 | 説明 |
---|---|
Lifetime (一生) | All event occurrences (すべてのイベントの発生) |
Last 7 days | 過去7日間のすべてのイベント (今日発生したイベントは含まれません) |
Last 14 days | 過去14日間のすべてのイベント (今日発生したイベントは含まれません) |
Last 30 days | 過去30日間のすべてのイベント (今日発生したイベントは含まれません) |
Last 60 days | 過去60日間のすべてのイベント (今日発生したイベントは含まれません) |
Last 90 days | 過去90日間のすべてのイベント (今日発生したイベントは含まれません) |
24 hours | 現在時刻の24時間前 |
カスタム期間 | 選択した日付以降のすべてのイベントの発生、または今日の n 日前から起算するすべてのイベントの発生。 |
イベント集計のテスト
イベント集計は、作成プロセスのどの時点でも特定のユーザーに対してテストできます。イベント集計のテストを実行する対象ユーザーを選択したら、数式を構築してテストを開始すると、すぐに結果が確認できます。

イベント集計を作成した段階でCreate and Exit (作成して終了) をクリックすると、そのイベント集計をドラフトとして保存できます。下書き状態のイベント集計はアクティブではなく、パーソンプロファイルには表示されません。この状態のイベント集計は、必要なだけ何度でも編集できます。ドラフトの編集内容を保存したい場合は、Save and Exit (保存して終了) をクリックします。
計算に満足したら、イベント集計のアクティブ化属性を切り替えます。People インスタンスのプロファイルに対する処理が開始されます。
イベント集計は、すべてのプロファイルに対して処理された後にのみアクティブになります。アクティブなイベント集計を調整したい場合は、そのイベント集計を一旦非アクティブ化し、変更を加えてから、再度アクティブ化すれば、調整可能です。
イベント集計のライフサイクルは、他の計算属性と同じです。詳細については、計算属性 セクションをご参照ください。
リスト
顧客にメッセージを送信する時に、保険契約、今後の支払い、ショッピングカートに残した品目のリストといった「一式の情報」をそのメッセージに含めたい場合があります。その場合は、*Lists (リスト)*という顧客属性を使って自動キャンペーンを実施するのが最善の方法です。
Moments ユーザーが利用できるリストは、顧客ごとに格納されています。作成したいコミュニケーションに応じて、格納されている各品目について同じ顧客に個別のメッセージを送信し、その中で格納されているリスト内のすべてのオブジェクトまたは最初の数個のオブジェクトのみをメンションすることができます。
例えば、ある顧客が複数のローンを組んでいて、そのうちの1つだけの支払い日が近づいていることを通知する必要があるとします。その場合などは、リストを使うと便利です。ここで注意が必要なのは、パーソンプロファイル は一人の実在する個人を表し、このパーソンに関連するデータが (例えば、異なるローン、その人が主要な加入者である携帯電話のファミリープランに含まれる家族の様々な回線に関する情報なども) すべて同じプロファイル内に格納されていることです。
Lists (リスト)にアクセスすると、コミュニケーションでどのようにリストを活用したり、コンテンツをパーソナライズしたりできるかについて詳しい情報を得ることができます。
操作方法
複数のプロファイル属性の一括更新
複数のプロファイルの標準属性とカスタム属性を一括で更新できます。
例: ロンドン在住の顧客のセグメントを選択し、国を英国に更新します。そのセグメントのすべてのプロファイルの国フィールドが更新されます。
次の操作が可能です:
- 既存の属性の値を更新できます。
- 属性を空白の値にリセットできます。
以下の手順に従います:
-
People で、Persons (パーソン) に移動します。
-
検索とフィルターの両オプションを使って、フィルター処理したプロファイルのリストを取得します。
-
属性を更新したいプロファイルを選択します。
-
Update attributes (属性の更新) を選択します。
-
次の操作を1つ以上行います:
- 属性を新しい値で更新するには、属性を選択し、with value (値付き) を選択して、新しい値を指定します。
- 属性を空白の値にリセットするには、属性を選択し、to empty (空にする) を選択します。
- 複数の属性を更新するには、Attributes (属性) を選択し、各属性に対する変更を構成します。
-
Update (更新) を選択します。 変更の進行状況を表示できます。
変更が完了すると、通知が届きます。
変更は、選択したすべてのプロファイルに適用されます。