リストを使った顧客関連データの最適化
顧客とやり取りする際、保険契約、ローンや支払い口座、受診予約、時にはショッピング・カート内の商品のように同じ構造の異なるアイテムのリストなど、各自に紐づく情報を1つのセットまたはグループにまとめたくなることがあります。そうしたい場合、リスト (専門用語でいうところのリスト属性) を作成すると、まとめたい情報をグループ化できます。
リストは、カスタム属性の一種で、定義したアイテムのグループを表し、顧客ごとに作成されるそれぞれのパーソンプロファイルに保存されます。
考案されたコミュニケーションのシナリオに応じて、同じ顧客に対して単一、数点、またはすべての商品に関するメッセージを個別に送信できます。
例えば、複数のローンを契約中の顧客に対し、そのうちの1つに関して次回の支払い日を通知する場合、リストを使うとこのタスクを実行できます。顧客が持っているローンやアカウントそれぞれに対して別個のカスタム属性を作成する方法と比較すると、リストを利用する方がはるかに効率的です。

リスト属性は、ブラウザーの People Webインターフェースまたは People API を使って 作成 でき、特定の要件に応じて、People Web インターフェース、API、WebSDK、Mobile SDK などの様々なソースからリスト内のアイテムのデータを追加したり、 修正 したりできます。
リストを作成すると、フロー で使用する場合は、顧客に対してカートに残っている商品や近日中の受診予約に関するリマインド通知を出すなど、様々なシナリオを実行できるようになります。
リストデータは、オーディエンスをセグメント化 したり、フローをトリガー したり、メッセージコンテンツをパーソナライズ化したりすることにも活用できます。
リスト構造に関する詳細については、次のセクションをご参照ください。または、上記のいずれかのリンクをクリックすると、選択した機能に関する説明に直接移動することもできます。
リスト構造
リストは単一のデータを含む従来のカスタム属性とは異なる構造を持つため、説明が複雑になることがあります。
ここからリストの構成要素とそれぞれの機能について1つずつ説明していきます:
リスト属性 (通常は単にリストと言います) - カスタム属性の一種で、リストプロパティと呼ばれる一定の定義済みフィールドで構成されています。リスト属性とは、様々なアイテムに関する情報 (例えば、受診予約や金融商品、保険契約、カートに残っている商品など) や各アイテムに関連付けられたリストプロパティを格納するコンテナだと考えてください。
リストプロパティ- リスト属性を構成するフィールドは「リストプロパティ」と呼ばれます。これらのフィールドには、コミュニケーションに使用できる情報が含まれています。例えば、_受診予約_というリスト属性を持っているとします。このリスト属性のリストプロパティは、医師の名前_や_予約日、_診察費_などが該当します。リスト属性を作成する時は、リストプロパティも定義する必要があります。リストを保存した後に、既存のリストプロパティを編集することはできませんが、新しいプロパティを追加することは可能です。
リストアイテム (オブジェクトと呼ばれることもあります) *** - リストアイテムは、パーソンプロファイルのレベルでリスト属性内に作成することができる一意のアイテムです。例えば「受診予約」というリスト属性があるとします。受診予約のリストには、予約1、予約2、予約3...といった項目が含まれています。これがリストアイテムです。各リストアイテムには、医師の名前や予約日、診療費など異なるリストプロパティを持つことができます。顧客はすべて一意であることから、当然、受診予約の数は顧客ごとに異なります。システムレベルで変更できないリスト属性やリストプロパティとは違い、リストアイテムは顧客の成長や関連データの変更に即した修正が可能です* 。
リスト属性は、パーソンプロファイルごとに最大128件のリストアイテムを保存することができます。

以下に、リストに適用可能なユースケースをいくつか挙げます:
- カートに入っている商品をデータとして保存しておき、後でこれらのアイテムに関する情報を含めたメールを送信できるようにする。
- 期日が迫っているいくつかの金融商品について顧客にリマインド通知を送る。
- 1つのプロファイルに保存されている家族構成員1人ひとりの保険契約を更新する。
- 一人につき複数のポイントカードを管理する。
リスト属性の作成
People Webインターフェイスまたは People APIを使ってリストを作成します。
People内のリストに関する情報は、リストのについて記載しているドキュメントをご参照ください。
リスト属性には、最大 128 個のプロパティを追加できます。
リスト属性内のプロパティの順序を変更することはできません。従って、プロパティの順序が重要な場合は、必要な順序でプロパティを追加するようにしてください。
リスト属性を保存した後は、リスト属性名やリストプロパティ名を変更することはできません。また、リストプロパティのデータ型を変更したり、リスト属性からプロパティを削除したりすることもできません。従って、内容がすべて適切に作成されたことを確認してから、リスト属性を保存するようにしてください。
リスト属性を保存した後でも、プロパティを追加することはできます。
Webインターフェイスの使用
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NTT CPaaSのWebインターフェイス (opens in a new tab)で、People>Configuration (構成) > Create Custom Attribute (カスタム属性を作成) の順に移動します。
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リスト属性の名前を入力します。
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[Type (タイプ) ] フィールドで、List of Objects (オブジェクトリスト) を選択します。
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デフォルトでは、空のリストプロパティが作成されます。リストプロパティをさらに追加するには、追加アイコンを選択します。
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次の情報を各リストプロパティに追加します。
- リストプロパティの名前を入力します。
- テキスト、小数、整数、真/偽、日付、日時のタイプから1つ選択します。
-
Save (保存) を選択します。
例:放置カートシナリオでは、リストをカートに残っている商品で構成します。これらのアイテムについて追加が必要となるプロパティは以下のようになります:
- 商品名
- 商品価格
- 商品画像。この例では、このプロパティは_Text_タイプです。プロファイルのこのプロパティにデータを追加すると、画像のURLを追加することができます。
- 商品カテゴリー

People APIの使用
カスタム属性の作成 (opens in a new tab)メソッドでリスト属性を作成する場合は、People APIを使用します。
既存のリスト属性へのプロパティの追加
既存のリスト属性にプロパティを追加するには、次の操作を行います。
- NTT CPaaS Webインターフェース (opens in a new tab) で、People > Configuration (構成) > Person Custom Attributes (パーソンカスタム属性) に移動します。
- プロパティを追加したいリスト属性を探します。
- 見つかったら、リスト属性の横にある [Expand (展開)]アイコンを選択します。
- + アイコンを選択して、プロパティを作成します。
- プロパティを構成します。
- Save (保存) を選択します。
リストアイテムのフィルタリング
フィルタリングルールをリストアイテムに適用する方法を制御できます。
次のオプションを使用します。
- for any item(どのアイテムでも) (デフォルト):リスト内のいずれかのアイテムがセグメントルールに一致する場合、プロファイルが含まれます。
- for all items (すべてのアイテム):プロファイルは、リスト内のすべてのアイテムがセグメントルールに一致する場合にのみ含まれます。
例: Interests というリストがあるとします。ハイキング に興味のないユーザーをマッチングさせるには、次のルールを使用します。
Interests すべてのアイテム。
プロパティで、Activity is not (アクティビティは次の値ではない) _ハイキング_を選択します。

フィルターは、リストアイテムを使用する次の状況で適用できます。
- セグメントの作成
- プロファイルの検索
リストデータの追加と修正
リストを作成するとすぐに、リストアイテムの追加を開始する準備が整います。これは、People Webインターフェース、People API、Web SDK、Mobile SDKなど、様々な方法で行うことができます。
このプロセスは、顧客プロファイルのレベルでリスト内のアイテムを追加、編集、削除できるステップだと考えてください。このステップは、顧客が他にも購入する契約を結ぶ商品があったり、カートに商品を追加したり、そこから削除したりする場合のシナリオに役立ちます。
この段階ではリストからアイテムの追加や編集、削除が可能ですが、リスト自体やそのリストプロパティの調整はできないため、ご注意ください。リストやリストプロパティを修正したい場合は、新たに用途に適した構造でリストを新規作成する必要があります。操作方法については、Create List (リストの作成) をご参照ください。
People Webインターフェイス
新しいリストアイテムを追加したり、既存のリストアイテムを編集する場合は、Peopleのパーソンプロファイルに移動し、 [Attributes, Tags, and Events (属性、タグ、イベント) ] タブを選択します。その後、プロファイル内でリスト属性を直接調整します。ここにはお使いのアカウントにあるすべてのリストが表示されます。その中には、1つもリストアイテムが登録されていない空のリストも含まれます。
リストアイテムの追加
ここからはリストにアイテムを追加する方法について説明します。1人のパーソンプロファイルにつき、1つのリストに最大128個のアイテムを追加することができます。
単一のジョブで多数のパーソンプロファイルに対して複数のリストアイテムを追加したい場合は、APIを使うか、PeopleWebSDK (opens in a new tab)のappendToList() メソッドを使用するか、リストデータをインポートする方法があります。
お使いのアカウントで設定したフローによっては、リストアイテムを作成すると、フローがトリガーされることがあります。
Peopleでリストアイテムを追加するには:
-
People > Person profiles (パーソンプロファイル) に移動し、編集したいパーソンプロファイルをフィルタリングします。編集するパーソンプロファイルを開きます。
-
[Attributes, Tags, and Events (属性、タグ、イベント) ] タブを選択し、リストアイテムを追加したいリストまでスクロールダウンします。
-
リストアイテムを追加したいリストをクリックし、[Add New Element (新しいエレメントを追加)] を選択します。
-
リストプロパティにデータを追加します。データは自動的に保存されます。
各アイテムに関連するすべてのリストプロパティをすぐに入力する必要はありません。空のリストプロパティは、フィールドに入力されるまで、パーソンプロファイル上で非表示になります。空のフィールドを表示したい時は、Show Empty Fields (空のフィールドを表示) をクリックします。
リストアイテムの編集
パーソンプロファイルのリストアイテムは、時として編集が必要になる場合があります。リストアイテムはNTT CPaaS上で、個別のプロファイルに対して編集できます。複数のパーソンプロファイルのリストアイテムを編集、またはリストアイテムを一括編集したい場合は、APIを使用するか、リストデータをインポートする方法があります。
アカウントで設定したフローによっては、リストアイテムの編集によりフローがトリガーする可能性があります。
- People > Person profiles (パーソンプロファイル) に移動し、編集したいパーソンプロファイルをフィルタリングします。編集するパーソンプロファイルを開きます。
- [Attributes, Tags, and Events (属性、タグ、イベント) ]タブを選択し、編集したいリストアイテムまでスクロールダウンします。
- 編集したいリストアイテムをクリックし、Show Empty Fields (空のフィールドを表示) を選択して、空のリストプロパティがあるかどうかを確認します。
- 必要に応じてリストアイテムのプロパティを更新します。編集内容が直ちに保存されます。
リストアイテムのプロパティのデータを削除すると空の状態になるため、非表示に戻ります。この操作を行ってもリストアイテムは削除されません。詳しくは、下記の[リストアイテムの削除]をご参照ください。
リストアイテムの削除
このセクションでは、パーソンプロファイルのリストアイテムとそのリストアイテムプロパティをすべて削除する方法を説明します。リストアイテムを一旦削除すると取り戻せず、リストアイテムのプロパティに含まれるデータはすべて失われますのでご注意ください。
- People > Person profiles (パーソンプロファイル) に移動し、編集したいパーソンプロファイルをフィルタリングします。編集するパーソンプロファイルを開きます。
- [Attributes, Tags, and Events (属性、タグ、イベント) ] タブを選択し、削除するリストアイテムまでスクロールダウンします。
- 削除したいアイテムの隣にあるゴミ箱のアイコンをクリックします。
- リストアイテムの削除を確定するには、Delete (削除) クリックします。
People API
People APIを活用することで、リストに関連する多数の管理タスクを実行できます。
アカウントで設定したフローによっては、APIを使用してリストアイテムを追加または編集すると、フローがトリガーされる可能性があります。リストアイテムを編集する前にフローを確認し、上記の場合にトリガーする可能性があるものは一時停止するようにしてください。
追加
エラーの発生を避けるために、追加するアイテムはNTT CPaaSのWebインターフェイスで作成したリストと一致させるようにしてください。カスタム属性を更新するために使用するAPIメソッドはいずれも、リストの追加にも使用できます。
列挙
更新
削除
モバイルSDK
シナリオがより複雑で、さらに踏み込んだリスト作成をしたい場合は、Webインターフェイスを使わずにモバイルSDKをリストと連携させます。
セットアップ方法の詳細については、以下のガイドをご参照ください:
フレームワーク用プラグイン
- React Nativeガイド (opens in a new tab)
- Cordovaガイド (opens in a new tab)
- Flutterガイド (opens in a new tab)
JavaScript SDK
People Web SDKを使用すると、お使いのウェブサイトからリストコンテンツ (全リストアイテム) を上書きしたり、新しいリストアイテムを追加したりすることができます。[Update Person (パーソンを更新)]メソッドを使えば、リストを設定したり消去したりすることができます。
Webインターフェイスにサインインし、People ** のEvents (イベント)** ページから Web SDK ライブラリ (opens in a new tab) に移動します。
Web SDKをウェブお使いのウェブページに統合させると、以下のメソッドのいずれかを使ってリスト属性で作業することができます:
- pe.updatePerson()- リストを設定または消去
- pe.appendItemToList()- リストに新しいアイテムを追加
Web SDKのメソッドに関する詳細については、こちらをご参照ください:https://github.com/nttcpaas/people-web-sdk#update-profile-information (opens in a new tab)
以下の例では、'ShopperCart'というリスト属性のコンテンツを上書きする方法を示しています。
pe.updatePerson({
"customAttributes": {
"Shopper Cart": [
{"productName": 'Sneakers' ,
"productPrice": 25.33 ,
"productImage": "url here" ,
"productCategory": "Sport Sneakers"
},
{"productName": 'T-Shirt' ,
"productPrice": 9.99 ,
"productImage": "url2 here" ,
"productCategory": "Casual"
}
]
}
})
リストのインポート
顧客情報とリストを含むファイルが既にあり、すべてのリストプロパティが定義されている場合は、そのファイルを People にインポートします。
インポートできるファイルの容量は最大15MBで、サポートしているファイル形式は.csv、.xls、.xsls、.txt と .zipです (最大容量の15MBはzipしたファイルそのものではなく、zip解凍後のファイルに適用されます) 。
下図に示す例では、標準的な顧客情報に加えて、商品名、価格、画像、カテゴリを含むプロパティのリストが含まれています。

ファイル内のリストを整理し、Peopleの [Configuration (構成)] ページでリストの設定 を行い、2つのリストが一致するようにします。
People でPerson profiles (パーソンプロファイル) に移動し、Import (インポート) をクリックしてリストをインポートします。アサインするフィールドについて:作成したリストの名前を探し、そのリストからオブジェクトを選択します。各フィールドの横に、People に既に保存されているリストを置き換えることができるチェックボックスが表示されます。

このリストは、その人のプロフィール内の 属性、タグ、Eventsページを開きます。
フロー内のリスト
フロー内のリストを使用すると、強力なキャンペーンを構築することができます。1つのリストアイテムがパーソンプロファイル内で変更される場合、アイテムデータに基づいて通知のスケジュールを設定する場合、またはリスト属性に基づいてオーディエンスをセグメント化する場合は、フローをトリガーします。
リストを活用することで、フロー構成の可能性がさらに広がります。例えば、契約のリストアイテムがあれば、有効化と同時に顧客に通知を送信するフローを開始できます。保険の場合であれば、複数の顧客の契約状況について保険代理店に通知するフローを開始することも可能になります。
リスト属性を使ったフローのトリガー
リストを使ってフローをトリガーするには、次のエントリーポイントを使用します:
エントリーポイントのフィルタで定義した条件とリストアイテムのプロパティが完全に一致した場合に、フローがトリガーします。これらの条件が満たされると、リストアイテムはターゲット状態 に入ります。
日付/時間トリガー
日付/時間トリガーをリストのスケジューラー として使います。[Date / Time (日付/時間)]トリガーは、日付または時間に関連するプロパティに基づいてデータを集約できます。簡単なフロー作成例を挙げると、日付/時間トリガーを使うことによって、3日前に作成した受診予約のうち、アクティブな予約をすべてピックアップし、1件のメールにまとめて顧客にリマインド通知を送信することができるようになります。
定義されたフィルタに一致するすべてのリストアイテムは、パーソンプロファイルに集められ、自動的に作成された変数に挿入されます。これでフローの他の部分でこの変数を利用できるようになります。
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Moments > Flows (フロー) に移動します。
-
Create Flow (フローを作成) > Start from Scratch (一から開始) をクリックします。
-
Date or Time (日付または時間) トリガーを選択します。
-
フローのトリガーとなるリスト属性を選択します。最初のステップとして選択できるのは、日付ベースのリストアイテムプロパティからだけです。それは、プロパティが集計セットの作成頻度を定義するために使用されるからです。
-
(任意) 追加のプロパティでフィルタリングしたい場合は、[data subset filtering (データサブセットフィルタリング) ]フィールドにリスト属性のプロパティを追加します。このフィールドでは利用可能なすべてのリストアイテムプロパティから選択できます。この追加のフィルタはAND 条件として機能して、ステップ4で選択した属性と、フィルタリングしたい追加のアイテムプロパティを組み合わせます。これによりアイテムのターゲット状態が定義され、変数に集められるようになります。
ユースケースに対するフィルタを作成すると、この結合フィルタに一致するパーソンごとのリストアイテムがすべて、自動的に**matched_ListItem_%listName%**の命名規則を使ったカスタムメイドのリスト変数に収集されます。 この変数の編集、削除は共に不可ですが、Flow Settings (フロー設定) で変数名を変更することは可能です。
-
ユースケースに応じてエレメントを追加してフローを引き続き構築します。フローの作成に関する詳細については、フローの管理をご参照ください。
Peopleプロファイルの変更
[Change in People Profile (People プロファイルの変更)]トリガーは、アイテムベース のリスト用トリガーとして使用できます。これは即ち、対象のリストアイテムのいずれかがターゲット状態 (作成済みや変更済みなど) になるたびに、フローがトリガーされることを意味します。一例としては、受診予約 (リストアイテムとして保存済み) が作成された時にフローをトリガーさせる場合が挙げられます。
フローはリストアイテムに基づいてトリガーされ、どのパーソンも個別に複数のリストアイテムを持つことができるため、2つ以上のリストアイテムが同一パーソンに対し、同時にフローをトリガーさせる可能性があります。一例としては、あるパーソンに2件の受診予約 (リストアイテムとして保存済み) がほぼ同時に作成された時にフローをトリガーさせる場合が挙げられます。
パーソンは一度に1つのアクティブなフローにしか存在できないため、システムは最初に (タイムスタンプ順に) ターゲット状態 に到達した方のアクションでフローをトリガーします。ただしパーソンがアクティブなフローから離脱するまでは、データ競合を避けるため、ターゲット状態に到達した他のアクションが発生しても破棄/無視されます。
いくつかのアイテムが同時に変更されることが予想され、それぞれのアイテムについてコミュニケーションを図ることが重要である場合は、[Date / Time (日付/時間)]トリガーを使用します。
[Change in People Profile (Peopleプロファイルの変更)]エントリーポイントを使って、リストでフローをトリガーするには:
- Moments > Flows (フロー) に移動します。
- Create Flow (フローを作成) > Start from Scratch (一から開始) をクリックします。
- Change in People Profile (People プロファイルの変更) トリガーを選択します。
- リスト属性を選択し、リストアイテムのプロパティに対する条件を設定して、お望みのターゲット状態を定義します。
ユースケースに対するフィルタを作成すると、このフィルタに一致するパーソンごとのリストアイテムがすべて、自動的にカスタムメイドのリスト変数に収集されます。この変数には以下のような一意の命名規則が適用されます:matched_Lisitem_%listName%(このフィルタに一致するパーソンごとのアイテムがすべて、この変数に含まれます) 、または**single_ListItem_%listName%(フローをトリガーさせた特定のリストアイテムに関する情報が、この変数に含まれます)。変数は、パーソナライズ化の精度を高め、後でセグメント化する場合に備えて、含めるアイテム情報を1件のみに止めるように設計されています。 この変数の編集、削除は共に不可ですが、Flow Settings (フロー設定) で変数名を変更することは可能です。
- ユースケースに応じてエレメントを追加してフローを引き続き構築します。フローの作成に関する詳細については、フローの管理をご参照ください。
標準属性またはカスタム属性で構成するリスト属性でトリガーさせるフローには、優先順位があります。ご存知のとおり、フローはすべて の条件が一致するとトリガーされますが、ごく稀に、標準属性またはカスタム属性の変更によって複数のリストアイテムで一致が発生し、フローが突如トリガーされることがあります。ではここで、システムがどのようにして、最初にフローに入るリストアイテムがどれかを判断しているかについて説明します。
標準属性またはカスタム属性が変更され、すべての条件が満たされると、システムは最後にフローをトリガーしたリストアイテム でフローを実行します。
基本的な例として、あるパーソンがリスト属性とカスタム (または標準) 属性を組み合わせた複雑な条件でフローをトリガーさせたいとします。そのパーソンがフローに加わるのは、両方の属性が一致した場合のみです。例えば、Doctors appointment (受信予約) (リスト属性部分) が明日予定されており、受診する場所として設定するCity (都市) (カスタム属性部分) はローマだとします。
翌日、受診予約のリストアイテムを作成しますが、都市はパリだとします。その後、すぐに同じ日の受診予約を別途作成し、都市をパリにします。この時点では2つの予約がありますが、すべての条件が満たされていないため、フローがトリガーされません。
突然、このパーソンがローマに移動し、すべてのフロー条件が満たされるようになったとします。この場合、作成された2件目の受診予約が先にフローに入ります。そうなるのは、この予約の方がより新しいものだとシステムが見なし、1件目の古い予約よりも適切であると判断するためです。
イベント内のリストをフローに渡す
リスト属性をイベントからフローに渡すことができます。これを行うには、イベントペイロードのリストをフロー変数にマッピングします。フローがイベントによってトリガーされると、イベントペイロードのリストがフロー変数にコピーされます。
People real-time event (People リアルタイムイベント) エントリーポイントと Wait for an event (イベントを待機) エレメントで リスト型のイベントプロパティをマッピングできます。
イベントプロパティをフロー変数にマッピングする方法の詳細については、Flow Variables (フロー変数) について記載しているドキュメントをご参照ください。
リスト属性でオーディエンスをセグメント化
オーディエンスをセグメント化すると、属性とイベントに基づいて作成したセグメントを通じて、これまでに提示した商品やサービスに一定額の金額を費やしているものの、この数か月の間、何も購入していない顧客に対してメッセージを送信するなど、多くのことを行えるようになります。
セグメント化したオーディエンスに対してリストを使用する場合、状態がどれも異なる複数のリストアイテムを1人のパーソンが持つ可能性があるため、より複雑になります。例えば、あるパーソンに2件の契約があり、一方の契約のステータスは有効で、もう一方は契約期間が過ぎているとします。契約のステータスによってオーディエンスをセグメント化しようとした場合、2つの異なるセグメントに同一パーソンが存在する状況が発生します。これだとうまく行きません。
リストにまつわるこの課題を克服するため、パーソンベースのセグメント化からアイテムベースのセグメント化に切り替えることにします。
これでオーディエンスを単一のリストアイテム変数 (つまり、**single_ListItem_%listName%**という命名規則を持つ変数) に基づいてセグメント化できるようになります。これらの変数は、リストを使ってフローをトリガーさせると自動的に作成されます。ただしこれは、実際にフローをトリガーしたアイテムが1つだけ含まれているChange in People Profile (パーソンプロファイルの変更 エレメントを使用した場合です。
このようにすれば、パーソンが複数のセグメントにアイテムを持つ状況を回避でき、フローで使用可能なデータを1つだけに止めることができます。

リストでメッセージをパーソナライズ化
リストは、ブロードキャスト (メール、SMS、プッシュ通知、WhatsApp) 経由またはフロー (all channels (全てのチャネル)) 経由で送信されるメッセージに含めることができます。
SMS と メールのメッセージをパーソナライズする際のリストの使用方法については、いくつかのガイドを用意していますので、ご参照ください。なお、基本はどのチャネルでも同じです。
メッセージ内のリストの送信
メッセージ内でリストを使用すると、ターゲットを絞り込んだメッセージを直接ユーザーに届けることができます。ここではカートに残っている商品について顧客にリマインド通知を送信する放置カートシナリオを例に、この機能の仕組みについて説明します。
メッセージにリストを掲載して送信するためには、パーソンプロファイルでカート情報がリスト属性として予め保存されており、コミュニケーションチャネルが有効化されている必要があります。
SMS内のリスト
シナリオ1:カートに最初に入れられたアイテム2品と各アイテム説明用のフィールド1つを表示する
- [Moments ] > [ブロードキャストの作成 ] に移動し、SMSメッセージの送信を選択します。
- 中括弧のアイコンをクリックし、ドロップダウンメニューからこのキャンペーンのために作成したリスト (この場合はカートB) を選択します。
- 次に、メッセージに表示させたいアイテム数を入力します。このシナリオでは、2アイテムとします。
- リストから含めたいフィールドを選択します。例:商品名。
- リスト上のフィールドを分けるために文字および/または空白を追加します。追加しない場合、フィールドを結合されます。
- Analyze (分析) をクリックすると、メッセージのプレビューが表示されます。プレビューを確認後、メッセージをLaunch (起動) するか、エディターに戻って変更を加えます。
概要:
コンテンツウィンドウ メッセージに表示するカートアイテム数:2 メッセージに表示するカートフィールド:商品名
プレビュー画面 アイテム1の名前:ハマるアプリを作る6つのコツ アイテム2の名前:モバイル認証;モバイルセキュリティとユーザーエンゲージメントの未来

シナリオ2:最初のアイテムだけを表示し、説明フィールドを複数置く
この例では、商品名や価格、URLなど、アイテム説明用のフィールドを含め、リストに最初に加わったアイテムを選択した場合の最終結果がどうなるかを示しています。
コンテンツウィンドウ メッセージ内のカートアイテム数: 1 メッセージ内に表示するカートフィールド:商品名、商品価格、URL
プレビュー画面 アイテム名:ハマるアプリを作る6つのコツ アイテムの価格:$15 アイテムのURL:shopnread.com/product/6-ingredients-for-an-addictive-app (opens in a new tab)

シナリオ3:カート内のアイテム数がエディターに入力した数より少ない
今度はSMSメッセージに20品のアイテムを一覧表示することにし、エディターに20という数字を入力します。カート内のアイテム数がエディターに入力した数より少ない場合、表示されるのは、カートに入っている全アイテムならびに選択したそれぞれのフィールド (即ち、商品名、商品価格、URL、画像URL) だけとなります。
コンテンツウィンドウ メッセージ内のカートアイテム数:20 メッセージ内に表示するカートフィールド:商品名、商品価格、URL、画像URL
プレビュー画面 アイテム名 (予定数20より少なく表示) : ハマるアプリを作る6つのコツ、モバイル認証;モバイルセキュリティとユーザーエンゲージメントの未来 アイテム価格: $15、$15 アイテムのURL:shopnread.com/product/6-ingredients-for-an-addictive-app (opens in a new tab) 画像URL: https://shopnread.com/wp-content/uploads/2019/07/screenshot-2019-07-01-at-18.03.50.png (opens in a new tab)...

リストでメールをパーソナライズ化
メールのコミュニケーションを作成する場合、様々な方法でリストを活用することができます。リストの活用に力を発揮するのがNTT CPaaSの強力なメールエディターです。
ではここで、メールエディターのいくつかのエレメントを使ったリストの活用法について説明します。
テキストブロック内のコンテンツの繰り返し
メールエディターのテキストコンテンツブロックを使い、ターゲットオーディエンス用に高度にパーソナライズ化したコンテンツを作成します。
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カスタムメールエディターにテキストボックスを追加します。
-
Placeholders (プレースホルダー)> **Lists (リスト)**の順にクリックします。
備考メールのパーソナライズ化にリスト変数を使用したい場合は、Placeholders (プレースホルダー)> **Flow Variables (フロー変数)**の順に進んで、使用するリスト変数を選択します。
-
追加したいリストを選択
-
テキストエレメントにリスト全体を追加したい時は 'Entire List (リスト全体)'を選択し、どれか1つだけ追加する場合は、そのリストプロパティを選択します。リストはコードとしてテキストボックスに追加されます。
以下の図はテキストボックス内のリストとそれぞれの説明を示した例です:

Limit (上限)- 表示されるアイテムの数を定義します。上限はデフォルトで3に設定されています。表示するアイテムを増やす場合は、この数値を編集します。メールを受信するパーソンのカートに残っているアイテムが指定した数より少ない場合、カート内のすべてのアイテムが表示されます。カートにあるアイテムの方が多い場合は、一部のアイテムは破棄されます。
Properties (プロパティ)- メールに表示するすべてのリストアイテムのプロパティは、{{[XXX]}} 内に表示されます。コミュニケーションに表示したくないプロパティがある場合は、それを削除することもできます。
Delimiter (区切り記号)- デフォルトでは、プロパティ間の区切り記号に「,」が使われています。必要であれば、これを別の記号に変えることもできます。
すべてのアイテムは、上記のデータを連結した文字列として表示されます。(つまり、アイテムが1つ以上ある場合、選択した区切り文字を使って同じテキストブロックとして連結されます) 。
Order of items (アイテムの順番) - アイテムはランダムな順序で表示されます。
繰り返し用のコンテンツブロック
メールのコミュニケーションを作成する場合、メッセージ行にリスト属性から直接引き出さしたデータを追加して、訴求力のあるレイアウトを作ることができます。その場合は プレースホルダーを使用します。
コンテンツレイアウト内でリストを使用するには:
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メールテンプレート (または直接、メールメッセージ) に行 を追加し、コミュニケーションの目的に合わせてスタイル設定をします。
-
リスト属性コンテンツを追加したい行を選択します。
-
行セレクターウィンドウの左下にある [Repeat (繰り返し) ]アイコンをクリックします。
-
**Repeat for (繰り返し用)**のリスト属性を選択します。必要であれば、表示するアイテムをフィルタリングしたり、ソートしたりすることもできます。[最大量]カウンターを使って、メッセージ内のアイテムの数を制限します。使用できるすべてのリストプロパティが Available placeholders (使用可能なプレースホルダー) セクションに表示されます。
-
コミュニケーションの構築時に、プレースホルダー (リストプロパティ) をコンテンツに追加できます。
メールの受信者が複数のリストアイテムを持っている場合、一致したアイテムごとに行が繰り返されます。
また、行が付いているリスト変数を使うこともできます。上記の例に従って、ステップ4でリスト変数をリスト属性ではなく、プレースホルダーとして選択します。
他のエレメント
リスト属性をコンテンツに追加する場合は、他のカスタム属性をコミュニケーションに追加する場合と同様に操作します。
操作は簡単です。コンテンツエディターでリスト属性を探し、リスト全体または単独のリストプロパティを選択します。

コンテンツにリスト属性を追加した後、コード内の数字を変更して表示するリストアイテムの数を調整します:

リスト変数
さらに拡張性を高めたい時は、リスト変数を使ってメッセージ内容をパーソナライズすることもできます。リスト変数は、 リスト付きのフロー をトリガーする時に作成されます。
リスト変数をコミュニケ―ションに使用する場合は、コンテンツの編集時に Placeholder > Flow Variables (プレースホルダー フロー変数) を選択し、コミュニケ―ションに含めるリスト変数を選択します。リスト変数は次のようになります:
- Lisitem%listName% (日付/時間トリガーでリストを使用する場合に作成される変数)
- matchedLisitem%listName%(この変数には、[Change in People Profile (Peopleプロファイルの変更)]トリガーでフィルタリングした各パーソンのアイテムがすべて含まれます)
- singleListItem%listName%(この変数には、[Change in People Profile (Peopleプロファイルの変更)]トリガーでフローをトリガーさせた特定のリストアイテムに関する情報が含まれます)
フロー内で変数を使用する場合の詳細については、 Flow Variables (フロー変数) をご参照ください。