アプリ内メッセージの送信

アプリ内メッセージは、エンドユーザーがモバイルアプリケーションを操作している時に、その画面に表示されるバナー、ポップアップやその他の形式のメッセージを含む、モバイルユーザーとのコミュニケーションツールの一つです。

アプリ内メッセージは、それを受信したエンドユーザーとのインタラクションを通じて、エンドユーザーにアプリ内で特定のアクションを実行してもらうことで、モバイルエンゲージメントを高めることができる、重要なエンドユーザーの行動トリガーです。

アプリ内メッセージの主な利点は、アプリストアで新しいバージョンをコーディングして公開することなく、アプリケーション内からコミュニケーションキャンペーンとプロモーションキャンペーンを設定および実行できることです。

NTT CPaaSのアプリ内エディターには、パーソナライズされた見栄えの良いアプリ内メッセージを作成するツールやMobile SDKなど、アプリから直接コンテンツをエンドユーザーに配信したり、表示したりするために必要な機能がすべて揃っています。さらに、このエディターを使うと、マーケティング担当者はアプリ内メッセージの作成を開発者に頼る必要がなくなるため、アプリ内コミュニケーションキャンペーンを立ち上げるまでに要する時間を大幅に短縮できます。

主な利点

アプリ内メッセージは、エンドユーザーがすでにアプリを開いている時に表示されるため、最大限の注意を引くことができます。
アプリ内メッセージを表示させるために、エンドユーザーがオプトインする必要はありません。このチャネルは、個人の属性とリアルタイムの行動によってセグメント化されたモバイルアプリケーションのアクティブなオーディエンス全員が使用できます。
アプリ内メッセージは、様々なメッセージング形式 (バナー、ポップアップ、フルスクリーン) を使って、色んなユースケースに幅広く対応できるよう、柔軟に設計できます。
アプリ内メッセージを使ったキャンペーンを作成して開始する場合、アプリの新しいバージョンをコーディングしてリリースする必要はありません。アプリ内メッセージを使用すると、マーケティング担当者は開発者に依存せず、キャンペーンをすばやく立ち上げ、仮説を検証できるようになります。
エンドユーザーをアプリケーションまたはブラウザーのURL内のページに移動できるようにするには、ボタンを用意し、その目的に沿ったボタンアクションを定義します。

アプリ内メッセージの使い方

アプリ内メッセージは、Momentsのフローでスタンドアロンメッセージとして利用できます。フローのアプリ内メッセージを使って、モバイルユーザー向けのコミュニケーションキャンペーンを作成して立ち上げることができます。アプリ内メッセージを使ったコミュニケーション用のコンテンツについては、アプリケーションのユースケースに合ったものを開発者やコーディングの経験がなくても容易に作成できます。

アプリ内メッセージは、以下に例示する様々なユースケースに応じて幅広く活用できます：

プロモーション- モバイルオーディエンスのセグメント向けのアプリ内メッセージで、エンドユーザー行動に基づいてトリガーされます。例：売れ筋商品、特別なプロモーションキャンペーンなど
リマインダー- アプリのオンボーディングまたは購入ファネルの一環として、未完了のアクションを完了するよう、アプリ内メッセージを閲覧したエンドユーザーに促すことを目的としています。例：放置しているカートや個人データの統合などについて
機能の導入 - 使用を奨励するためのアプリ内メッセージです。例：アプリに導入された新機能など
フィードバック - エンドユーザーにフィードバックをリクエストするためのアプリ内メッセージです。例：顧客調査用のアンケートへの回答をエンドユーザーに依頼する時など
重要な通知 - 規制に関するニュース、規則や条件の変更、会社の最新情報といった重要なメッセージを発信するためのアプリ内メッセージです。

SDKの対応バージョン

アプリ内メッセージは、以下のプラットフォームで使用可能です：

iOS用SDK - 11.0.0以降
Android用SDK - 9.0.0以降
Huawei用SDK - 6.0.0以降
React Native用プラグイン - 10.0.0以降
Flutter用プラグイン - 4.0.0以降
Cordova用プラグイン - 4.0.0 以降

各プラットフォームでアプリ内メッセージを有効にする手順については、以下の該当ドキュメントをご参照ください。

[Android用ガイド](https://github.com/NTT (opens in a new tab) CPaaSの/mobile-messaging-sdk-android/wiki/In-app-notifications#enabling-full-featured-in-apps)
[iOS用ガイド](https://github.com/NTT (opens in a new tab) CPaaSの/mobile-messaging-sdk-ios/wiki/In-app-notifications#enabling-full-featured-in-apps)
[Huawei用ガイド](https://github.com/NTT (opens in a new tab) CPaaSの/mobile-messaging-sdk-huawei#readme)
[React Native用ガイド](https://github.com/NTT (opens in a new tab) CPaaSの/mobile-messaging-react-native-plugin/wiki/In-app-notifications#full-featured-in-app-notifications)
[Flutter用ガイド](https://github.com/NTT (opens in a new tab) CPaaSの/mobile-messaging-flutter-plugin/wiki/In-app-notifications#full-featured-in-app-notifications)
[Cordova用ガイド](https://github.com/NTT (opens in a new tab) CPaaSの/mobile-messaging-cordova-plugin/wiki/In-app-notifications#full-featured-in-app-notifications)

メッセージ形式

アプリ内メッセージは、次の形式で送信できます：

バナー

バナーは、モバイルアプリのコンテンツ上に一時的に表示される小さなアプリ内メッセージです。これらはモバイルデバイスの画面の上部または下部に表示され、数秒後に自動的に閉じます。

バナーは、アプリを操作中のエンドユーザーに、その操作を中断することなく、何かを知らせる必要がある場合に使用します。バナーは、エンドユーザーがアプリ内で実行した特定のアクションについて確認する場合、短いお知らせを表示する場合、またはプッシュ通知と組み合わせて、エンドユーザーがアプリを使用する際にプッシュ通知の情報を確実に見るようににしたい場合などに使用できます。

ポップアップ

ポップアップは、画面上に表示する、コンテンツの一部と重複するモバイルアプリ内メッセージの一種です。ポップアップ方式のアプリ内メッセージは、エンドユーザーの注意を引いて何かをするように依頼したいシナリオに適しています。

フルスクリーン

フルスクリーンは、メッセージを画面全体に表示するモバイルアプリ内メッセージの一種です。フルスクリーンは、大量の情報を表示し、それを読んだエンドユーザーに特定のアクションを実行してもらいたいシナリオに適しています。

フローによるアプリ内メッセージの送信

フローの作成

NTT CPaaSのWebインターフェース (opens in a new tab)で、Moments > Flows (フロー) に移動します。
Create flow (フローの作成) を選択します。
必要なエントリーポイントを構成します。例：パーソンプロファイルの変更。

エントリーポイントで、対象ユーザーを定義します。フローに含める必要があるパーソンプロファイルのタグや属性を指定します。

備考
属性やタグを様々な組み合わせで使用して、パーソンプロファイルがフローの基準を確実に満たすようにします。
フローの関連セクションにSend In-app message (アプリ内メッセージの送信) エレメントを追加します。
Send In-app message (アプリ内メッセージの送信) エレメントで、次の操作を行います。
1. エレメントの構成を完了します。
2. アプリ内メッセージを作成します。
3. (任意)メッセージをパーソナライズ化します。
4. メッセージを検証します。
5. メッセージをプレビューします。
6. (任意)メッセージをカスタムペイロードを追加します。
Validate (検証) を選択します。
Launch now (今すぐ起動) を選択します。

フローの開始後に属性が変更されたモバイルアプリユーザーは、自動的にフローに追加されます。

これで、アプリ内メッセージキャンペーンのパフォーマンスをトラッキングできるようになります。

備考

オーディエンスプロファイリング機能を使用すると、モバイルアプリを使ったフロー内のコミュニケーションを改善することができます。

アプリ内メッセージの送信エレメントの構成

Send In-app message (アプリ内メッセージの送信) エレメントを選択してサイドパネルを開き、そこに表示される各フィールドを設定して、同エレメントの構成を完了します。

Sender (送信者)

From (送信元) フィールドで、アプリ内メッセージを送信するモバイルアプリケーションを選択します。

Content (内容)

New message (新しいメッセージ) を選択します。アプリ内メッセージを作成します。

配信オプションの構成

In-app validity period (アプリ内メッセージの有効期間)：フローがエンドユーザーにメッセージを配信しようとする最大期間を設定します。詳細については、有効期間について詳述しているドキュメントをご参照ください。

Data payload (データペイロード)：保存またはインポートされた連絡先からメッセージに追加するデータを1つ以上選択します。例：ファーストネームと国。詳細については、データペイロードについて詳述しているドキュメントをご参照ください。

Delivery time window (配信時間枠)：コミュニケーションを取る時間とタイムゾーンを設定します。詳しくは、配信時間枠について詳述しているドキュメントをご参照ください。

Message sending speed (メッセージ送信速度)：指定した期間内に送信するメッセージの数を入力します。詳しくは、メッセージ送信速度について詳述しているドキュメントをご参照ください。

アプリ内メッセージの作成

アプリ内メッセージエディターで、必要なアプリ内メッセージのタイプをドラッグします。次のオプションを使用できます。

バナー
ポップアップ
フルスクリーン

各種メッセージの詳細については、メッセージの形式について詳述しているドキュメントをご参照ください。

アプリ内メッセージの作成方法 (バナーの場合)

アプリ内メッセージエディターで、以下のフィールドの構成を完了します。変更後、Finish editing (編集の完了) を選択します。

Image (画像)(任意)

アプリ内メッセージにメディアを追加することができます。画像をアップロードするか、Image URL (画像URL) フィールドに画像ファイルを含む公開URLを入力できます。

ファイル形式：.jpg、.png、.jpeg

Title (件名) (任意)

メッセージのタイトルを追加できます。タイトルには、スペースと特殊文字を含めることができます。

Title font (タイトルフォント) を構成できます。

テキスト

メッセージの内容を作成します。

メッセージには、スペース、特殊文字、絵文字、プレースホルダー、および最大3行のテキストを含めることができます。

次の操作を実行できます。

メッセージテキストのフォントを選択できます。
テキストに書式を追加できます。
テキストの色を選択できます。
背景色を選択できます。

オンタップアクション

エンドユーザーがメッセージを選択した時に実行するアクションを定義します。次のいずれかのアクションを選択します。

Close banner (バナーを閉じる)
Page in mobile app (モバイルアプリ内のページ)：エンドユーザーをモバイルアプリケーションの特定のセクションにリダイレクトします。その特定セクションのディープリンクを指定します。ディープリンクを有効にする方法などの詳細については、[iOS](https://github.com/NTT (opens in a new tab) CPaaSの/mobile-messaging-sdk-ios/wiki/How-to-use-%22deeplink%22-to-land-user-to-a-particular-app-page%3F)または[Android](https://github.com/NTT (opens in a new tab) CPaaSの/mobile-messaging-sdk-android/wiki/How-to-use-%22deeplink%22-to-land-user-to-a-particular-app-page%3F) について詳述しているドキュメントをご参照ください。
Open URL in browser (ブラウザーでURLを開く)：指定したウェブページを外部ブラウザーに読み込みます。ウェブページのURLを指定します。
Open URL within a webview (Web ビュー内でURLを開く)：外部ブラウザーを開かずに、指定したウェブページをモバイルアプリケーション内に読み込みます。ウェブページのURLを指定します。詳しくは、[iOS](https://github.com/NTT (opens in a new tab) CPaaSの/mobile-messaging-sdk-ios/wiki/How-to-open-application-webView-on-message-tap)または[Android](https://github.com/NTT (opens in a new tab) CPaaSの/mobile-messaging-sdk-android/wiki/How-to-open-application-webView-on-message-tap%3F) について詳述しているドキュメントをご参照ください。

表示位置

バナーをモバイルアプリの上部に表示するか、下部に表示するかを選択します。

アプリ内メッセージの作成方法 (ポップアップまたはフルスクリーンの場合)

以下のフィールドの構成を完了します。変更後、Finish editing (編集の完了) を選択します。

Image (画像)(任意)

ファイル形式：.jpg、.png、.jpeg、.gif

テキスト

メッセージの内容を作成します。メッセージには、スペース、特殊文字、改行、絵文字、プレースホルダーを含めることができます。

また、次の操作を行うこともできます。

メッセージテキストのフォントを選択できます。
テキストに書式を追加できます。
テキストの色を選択できます。
メッセージの背景色を選択できます。

ボタン

メッセージにボタンを追加します。次のボタンを有効にできます。

Action button (アクションボタン) ：エンドユーザーがメッセージを選択した時に実行するアクションを定義します。Text (テキスト) フィールドで、ボタンに表示するテキストを指定します。例： Try now (今すぐ試す)。

次のいずれかのアクションを選択します。
- Page in mobile app (モバイルアプリ内のページ)：エンドユーザーをモバイルアプリケーションの特定のセクションにリダイレクトします。その特定セクションのディープリンクを指定します。ディープリンクを有効にする方法などの詳細については、[iOS](https://github.com/NTT (opens in a new tab) CPaaSの/mobile-messaging-sdk-ios/wiki/How-to-use-%22deeplink%22-to-land-user-to-a-particular-app-page%3F)または[Android](https://github.com/NTT (opens in a new tab) CPaaSの/mobile-messaging-sdk-android/wiki/How-to-use-%22deeplink%22-to-land-user-to-a-particular-app-page%3F) について詳述しているドキュメントをご参照ください。
- Open URL in browser (ブラウザーでURLを開く)：指定したウェブページを外部ブラウザーに読み込みます。ウェブページのURLを指定します。
- Open URL within a webview (Web ビュー内でURLを開く)：外部ブラウザーを開かずに、指定したウェブページをモバイルアプリケーション内に読み込みます。ウェブページのURLを指定します。詳しくは、[iOS](https://github.com/NTT (opens in a new tab) CPaaSの/mobile-messaging-sdk-ios/wiki/How-to-open-application-webView-on-message-tap)または[Android](https://github.com/NTT (opens in a new tab) CPaaSの/mobile-messaging-sdk-android/wiki/How-to-open-application-webView-on-message-tap%3F) について詳述しているドキュメントをご参照ください。
Dismiss button (無視ボタン)：エンドユーザーは、このボタンを選択してメッセージを無視することができます。Text (テキスト) フィールドで、ボタンに表示するテキストを指定します。例： Cancel (キャンセル)

各ボタンに対して、次の操作を実行できます。

ボタンのテキストのフォントフェースとフォントサイズを選択できます。
ボタンのテキストの色を選択できます。
ボタンの背景色を選択できます。

アプリ内メッセージのパーソナライズ化

メッセージのパーソナライズ化は、次の操作で実行できます。

名前やアカウント番号などの個人属性を、アプリ内メッセージのリンクやフィールドに使用します。
同時に多くのエンドユーザーをターゲットにしたい時は、標準属性とカスタム属性のプレースホルダーを追加します。

標準属性とカスタム属性は、Peopleのプロファイルに関連付けられます。詳細については、People について詳述しているドキュメントをご参照ください。

アプリ内メッセージの検証

アプリ内メッセージの構成に不備がないことを確認することをお勧めします。構成チェックを行いたい時は、 [Audit (監査)] を選択します。エラーが表示されている場合は、問題を解決してください。

アプリ内メッセージのプレビュー

Preview (プレビュー) タブを選択すると、エンドユーザーのデバイスでメッセージがどのように表示されるかを確認できます。プレビューで確認できる内容は以下の通りです。

AndroidおよびiOSデバイスの場合。
お使いのデバイスにプレースホルダーを使用する場合は、プレビュー用にサンプルデータを追加できます。

カスタムペイロードの追加

アプリ内メッセージのペイロードにカスタムペイロードを追加することができます。この情報は、各エンドユーザーのユーザージャーニーの後の方で活用する状況が発生する場合があります。

カスタムペイロードを有効にするには、Payload (ペイロード) > Custom payload (カスタムペイロード) を選択します。

Payload data (ペイロードデータ) フィールドで、Key-value (キー値) または JSON を選択して、フィールドの構成を完了します。

備考

カスタムペイロードの追加は、モバイルアプリ内で処理する必要があります。

トラッキング

アプリ内メッセージを使ったキャンペーンのパフォーマンスを追跡することができます。メッセージおよび関連するチャネルイベントのステータスを表示できます。

ステータスは次のとおりです。

Sent (送信済み)：メッセージがNTT CPaaSプラットフォームから送信されたことを意味します。
Delivered (配信済み)：メッセージがエンドユーザーのデバイスに到達したことを意味します。
Seen (既読)：メッセージがモバイルアプリでのセッション中にエンドユーザーに表示されたことを意味します。
Clicked (クリック済み)：エンドユーザーが Popup (ポップアップ) または Full screen (フルスクリーン) 方式のアプリ内メッセージで Primary (プライマリ) ボタンまたはBanner (バナー) をタップしたことを意味します。

フロー内のアプリ内メッセージのパフォーマンスを追跡することができます。トラフィックデータは、Analyze (アナライズ)のMobile apps dashboard (モバイルアプリダッシュボード)で確認できます。

モバイルプッシュ通知の送信受信トレイ